予期せぬ『立ち止まり』の日々。計画通りにいかなくても大丈夫、私のサバイブ記録
朝の計画が、数時間後には白紙に
朝、今日のタスクリストを確認し、子どもを見送ってから仕事に取り掛かる、夕飯の準備はここまで済ませておく…。そんな風に頭の中で描いた一日の計画が、たった数時間で崩れ去ることがあります。突然の「お腹が痛い」「熱っぽい」という子どもの声。保育園や学校からの電話。それは、働く私たちにとって、日常の中に潜む予期せぬ『立ち止まり』の始まりです。
こうした場合、まず襲ってくるのは「どうしよう」という焦りではないでしょうか。今日の会議は、明日の締め切りは、頼まれたあの用事は…と、頭の中で高速にタスクが駆け巡り、同時に「また迷惑をかけてしまう」「計画通りにいかない自分はダメだ」といった罪悪感や自己否定感に苛まれることも少なくありません。
計画通りにいかない日々のリアルな記録
私自身、子どもがまだ小さかった頃は、まさにこの「計画が崩れる恐怖」と戦っていました。少しでも予定が狂うとパニックになり、子どもが体調不良でしんどい時でさえ、頭の中は仕事や家事のリスケジュールでいっぱいでした。子どもに申し訳ないと思いながらも、自分のキャパシティを超えそうな現実に追いつめられていたのです。
しかし、このような経験を何度も繰り返すうちに、少しずつですが、この予期せぬ「立ち止まり」に対する向き合い方が変わってきました。それは、完璧に計画を遂行することよりも、状況を受け入れ、その中で「できること」を見つけ出すことの方が、心穏やかに過ごせるという学びでした。
例えば、急な呼び出しがあった日は、その時点で「今日の計画は一度リセット」と考えるようにしました。そして、子どもに必要なケアを最優先しつつ、その隙間時間で本当に最低限やらなければならないことだけをピックアップするのです。それはメールチェックだけかもしれませんし、洗濯機を回すことだけかもしれません。大切なのは、そこで「本当はこれもできたはずなのに」と過去の計画に囚われないことです。
焦りを手放し、心を保つための小さなヒント
では、具体的にどのようにすれば、このような状況でも焦りを手放し、心を保つことができるのでしょうか。私が見つけたいくつかの小さなヒントをご紹介します。
- 「仕方ない」と声に出してみる: 状況を受け入れることは簡単ではありませんが、「仕方ない」「これも想定内」と口に出してみることで、少し冷静になれることがあります。コントロールできない出来事に対して、自分を責める必要はない、と心に言い聞かせます。
- 優先順位を再設定する: 計画が崩れたら、一度立ち止まり、その日の最優先事項は何かを考え直します。多くの場合、それは「子どものケア」と「自分自身の休息」になります。仕事や家事は、緊急度と重要度で改めて仕分けし、今日でなくても良いものは迷わず後回しにします。
- 完璧を目指さない: 体調を崩した子どもがいる中で、普段通りの家事をこなしたり、集中して仕事をしたりするのは困難です。食事は簡単なものにする、部屋の片付けは最低限にするなど、今日は「何とか乗り切る日」と割り切り、完璧な状態を目指すことを手放します。
- 短い休息時間を取り入れる: 子どもが寝ている間や、少し落ち着いたタイミングで、数分でも良いので自分自身のための時間を作ります。温かい飲み物を飲む、窓の外を眺める、深呼吸をするなど、短い時間でも心と体を休ませることが大切です。
- 誰かに頼る勇気を持つ: パートナーや家族に協力を仰ぐ、利用できる制度やサービスがないか調べてみるなど、一人で抱え込まないことも重要です。頼ることは弱さではなく、困難な状況を乗り切るための賢い選択です。
計画通りにいかなくても、それは「無駄」ではない
計画通りにいかない日は、一見すると何も進んでいないように感じてしまうかもしれません。しかし、子どものケアをしたり、予期せぬ事態に対応したりする中で、私たちは臨機応変さや問題解決能力を培っています。そして何より、子どもにとっては、しんどい時に寄り添ってくれる存在が一番の安心です。
計画通りにいかない日も、それはそれで私たちの「サバイブ」の貴重な記録となります。焦りや罪悪感を感じた自分も、そこから立ち直ろうと工夫した自分も、全てが私たち自身を形作っています。完璧な一日を目指すのではなく、「今日もなんとか、無事に過ごせた」と自分を労ってあげることが、長く困難な日々をサバイブしていく上で、何よりも大切なのではないかと感じています。
この記録が、今、まさに予期せぬ「立ち止まり」の中で奮闘されている方の、小さな心の支えとなれば幸いです。