『誰かのために』から『自分のために』。日々をサバイブする私の記録。
誰かのための日々、私の名前はどこに?
毎日、朝から晩まで時間との戦いです。子どもの世話、家事、そしてパートの仕事。気がつけば一日があっという間に過ぎていき、布団に入る頃にはクタクタになっています。
地域で会う人には「〇〇ちゃんのママ」と呼ばれることが増えました。パート先では「〇〇さんの奥さん」と紹介されることもあります。自分の名前を呼ばれるのは、ごく限られた場面だけ。もちろん、子どもや夫のために時間を使うことは幸せなことですが、ふと「私」という個人はどこにいるのだろう、と感じることがあります。
特に、育児と仕事の両立の中で、自分のための時間やエネルギーがなくなっていくのを感じた時、漠然とした不安が心をよぎりました。私は、母として、妻として、パートの従業員として、それぞれの役割をこなすことだけに集中し、自分自身の存在がおろそかになっているのではないか。このままで、私の人生は大丈夫なのだろうか、と。
『私』を取り戻す、小さなサバイブの記録
そんな日々の中で、私は少しずつ「自分自身」を取り戻すための、小さなサバイブを始めました。大げさなことではありません。日々の暮らしの中で、ほんの少しだけ、意識を変えたり、行動を変えたりした記録です。
まず、意識したのは「完璧を目指さない」ということです。以前は家事も育児も仕事も、すべてを高いレベルでこなそうとして、自分を追い詰めていました。でも、疲弊した私が笑顔でいられる時間は少ないことに気づき、思い切って「今日の食事は惣菜でもいい」「洗濯物は畳まなくても許す日があってもいい」と、ハードルを下げてみました。すると、生まれたわずかな時間や心の余裕が、私自身のために使えるエネルギーになったのです。
次に始めたのは、誰にも邪魔されない「自分だけの時間」を確保することです。毎日まとまった時間は取れないので、細切れの時間を見つけました。子どもが寝た後の15分、夫が帰宅する前の10分など。その時間は、読みかけの本を数ページだけ読む、好きなお茶をゆっくり淹れて飲む、ただぼーっと窓の外を眺める、といった本当にささやかなことだけをしました。この短い時間が、私にとっての「リセットボタン」となり、また明日をサバイブするための力になりました。
また、「〇〇さんのママ」「〇〇さんの奥さん」ではない、私自身の名前で呼ばれる場を意識的に持つことも重要だと感じています。パートの仕事はもちろんですが、最近はオンラインで同じような悩みを持つ人と交流する場に参加してみるなど、地域や既存コミュニティ以外の繋がりも持つようにしています。そこでは、母としての私、妻としての私ではなく、一人の人間としての意見や感情を共有でき、自分自身の存在を確認できるような気がします。
困難の中で見つけた、私自身の価値
これらの小さなサバイブは、劇的に状況を変えるものではありません。経済的なプレッシャーがなくなるわけでも、育児の大変さが軽減されるわけでもありません。でも、「誰かのため」に頑張る毎日の中で、「自分のため」にほんの少しでも時間や心を使えるようになると、不思議と視界が明るくなるのを感じています。
そして、困難な状況を日々サバイブしている自分自身を、少しずつ認められるようになりました。完璧でなくても、理想通りでなくても、私は私として、この現実を生き抜いている。そのこと自体に価値があるのだ、と。
同じように、仕事や育児、日々の生活の中で「自分」という存在を見失いそうになっている方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫です。あなたは、誰かのためだけに存在しているわけではありません。そして、特別なことをしなくても、あなた自身の「リアル」な声に耳を傾け、小さな一歩を踏み出すことで、自分自身の価値を再発見できるはずです。
この「サバイバーズ・ダイアリー」が、あなたにとって、自分だけの「サバイブ」を見つけるヒントとなり、少しでも心の支えになれば幸いです。